ピクトリコからデジタルネガフィルムTPS100が発売になった。
使ったことも、試したこともない方からの疑問符系ツィートとかが流れているのを読むと本当にやるせない。
批評するなら最低限まず使いましょう!
ところで、このシステムは暗室経験者でなおかつフォトショップ使いであることが前提のシステムです。暗室経験はあるけれどフォトショップを使ったことのない方、フォトショップは使えるけど暗室経験のない方は、それぞれのWSで習得しないと出来ません。
そして、両方を知って初めてこのシステムの素晴らしさが理解出来るのです。
それは、写真にイラストレーターで制作した自分のサインを重ねてフィルムでおこし、バライタで焼くという行為もいとも簡単にできるようになりますし、カラーで撮影した映像をモノクロ変換し、白を飛ばし粒子を粗くして自分の思い通りの絵にした後、暗室で様々なフィルターをかけてバライタに焼きこんでいくことも出来るわけです。
ここには、やはり個人のデータの蓄積と経験が必要なわけで、作品を仕上げる最終段階は銀塩となんら変わることはありません。
つまり、フィルムをおこすまでの課程がデジタルなわけでこの以前のフィルムと同じように階調を整えるにはトーンカーブしかり調整レイヤーしかり、様々な個人個人の匠の調整術が求められるわけです。これの近道はというと 永嶋勝美氏のWS に通うのが一番の近道なわけです。まさに発売まで何千枚、何万枚と検証され蓄積された手法を惜しみなく提供されています。また、暗室でも厳しくその手法を教えられています。雑誌やピクトリコの初回の冊子などは第一回のWSにもみたないほんのさわりです。
こうしたことは、一回でもこのシステムに触れてみればわかることで、そうすれば批評もなにもこの新しい可能性にうなり感心することでしょう。
フィルムはフィルム。その素晴らしさは自分も知っていますし愛すべきシステムです。自分もこれから先フィルムや薬品、印画紙が続く限り続けると思います。しかし、それとこのシステムとは全く違う次元の話で作品作りに大きく可能性を拡げたということだと思っています。
そして、印画紙だけでも残って欲しいという永嶋氏のフィルムを愛する心から発したこのシステムに心からエールを送りたいと思います。
シュ ウエムラ展 より備忘録
「アーティストには、そのいずれも大切だが、ほんとうに必要なのは、目に見えない生き方、精神、哲学ではなかろうか。」
To an artist, both of them are equally important, but what is really essential are things unable to see. Those are artist’s way of life, spirit and philosophy.
そして
「伝統とは革新の連続である。」
Tradition is a continuous process of innovation.