「森山大道」 備忘録
ぼくにとってポスターも現実もテレビの画像も外界の物として存在しているわけで、等価なものだから女性でも、生の女性より、ポスターの女のほうがセクシーだと思ったらポスターを撮るんです。
僕にとって写真とは一枚の美しい芸術作品を作るためのものではなくて、撮っても撮っても撮りきれず追い切れない膨大な世界の断片と、抜き差しならない自己の生の時間との交差する一点に、真のリアリティーを見つけるための、唯一の手段としてあるのだと言える。
僕の目に映ってくる粒状の光の破片を、僕は光の化石だと考えている。。。
全ての透視した光の粒状そのもののなかに、もしかしたら写真の真の本質がひそんでいるのではないだろうか?